【No.013】簿記検定対策

2017.09.2

こんにちは緒方です

特別な検定試験対策は行わなくても、
本物の力があれば試験には受かる!

と断言しているCPAですが、
今回はあえてこのタイトルを付けてみました
内容は、ブログを読んでいただければわかると思います

それでは、本日のブログ、スタート!!

講師ブログNo.013

「簿記検定対策」

先日、第146回日商簿記(今年6月実施)の、
試験講評が発表されました
《リンクはこちら》

その文章を読み解き、何が求められているのかをまとめてみようと思います

なお、2級・3級は出題が比較的簡単で、
講評の内容もあまり特徴がありませんでした

そのため今回は、1級について研究してみます

※以下の枠線の中の文章は改編しています。読み飛ばしも可。

 

≪商業簿記・講評≫

[ソフトウェア制作業の総合問題]
売上原価の計算は解答が困難だったもよう。発生原価をソフトウェア部分と販管理部分とに区別する必要があった。会計上の見積りの変更に、異なる3方法が採用され、確実な理解がないと正答が困難だった。特別損益以降、および注記については、正答率は高くなかった。金融商品、退職給付、税効果は、受験者にとっては苦手領域のようだ。

≪会計学・講評≫

[第1問/理論問題]
高い正答率を想定していたが、ケアレス・ミスで失点している答案が数多くあった。計算に意識が集中しがちだが、重要な専門用語は、正確に理解されたい。
[第2問/通貨オプションによるヘッジ取引]
初出題の論点につき、正答率は高くなかった。オプション取引の出題というだけで、最初から解答を断念した人も多い。基本さえ理解できていれば、問題の指示などから十分解答することができるレベルだった。数%の為替変動で多大な影響が出るため、為替リスクの管理は最重要。特に輸出企業において、通貨オプションは有効なヘッジ手段であり、活用する企業は多い。為替関係は、今後必ず1級受験者に要求される知識であると認識し、出題した。
[第3問/事業分離]
過去に出題があるものの、特に連結上の処理ができていなかった。個別上の処理と連結上の処理を問うたが、個別上で支配の継続が認識できていない。連結上の処理でも、支配継続部分と、新規取得部分とが区別されていない

≪工業業簿記・講評≫

[第1問/部門別計算]
基本的な部門別計算の問題だった。高得点の答案を期待していたが、結果はやや予想外。問1と問2は比較的よくできていた。問3の差異分析は、借方差異と貸方差異の選択が苦手だという印象。問4の勘定科目の数値推定は比較的できていた。問5は自部門への配賦も含めた連立方程式の係数を整数化する必要がある。完答した受験者は極めて少数。相互配賦法の種類を確認してほしい。
[第2問/部門別理論]
(1)はよくできていたが、(2)は誤っているものが多い。(2)は『原価計算基準』34 からの文章である。

≪原価計算・講評≫

[第1問/営業費分析&活動基準原価計算]
期待したほどには正答が多くなかった。基本的な専門用語について、その内容をしっかり理解してほしい。また、ABCでは配賦基準の算定も問うため、学習されたい。
[第2問/価格決定]
コスト・ベースの価格設定について、計算理解が不十分な受験者が多かった。価格決定の方法と、原価計算に何が求められているかを学習されたい。
[第3問/設備の効率利用]
出題実績のない問題だったため、[資料]に工夫をしたが、資料を理解できない受験者が多く、正答率は低かった。速度低下ロス差異とチョコ停ロス差異を混同している答案が相当あった。差異分析の基本を理解していれば、[資料]のヒントを参考に十分解答可能である。

 

これらをもとに、私が独自の分析を行った結果、日商簿記検定(1級)に求められている力はズバリ!次の4つです!!

 

①各論点に対する、表面的な計算方法ではなく確実な理解力
②注記や論点融合など、テキストに載っていない応用的な内容への対応力
③会計上の重要な専門用語に関する理解・記憶
④実社会で要求されている経済知識を習得しているか

 

いかがでしょうか。案外見当違いでもないと思います
例えば、最近の問題(特に商業簿記・会計学)は単なる解き方パターンの暗記では対応できないような難問が多く、
実に応用的な論点が出題されています
そうなると、①や②のような、基礎的な理解とそれに基づいた応用力が効果を発揮します

 

さらに、重要な会計用語の理解とインプットはもちろんのこと、
実社会で起こっている経済状況を知らないと、問題が理解できないようなものが最近は多く出題されています

例えば、為替、粉飾決算、有価証券、上場の仕組みなどが一例に当たります
これらの理解ができていなければ、問題文が読めず、問題自体の理解ができないという寸法です

《CPAでの取り組み》

確実な理解力

CPAでは創立以来、暗記やパターン学習、ごろ合わせなどに頼らず
常に全員が本物の会計を追求するため、理解にこだわってきました
そうして高度な知識・技能を持って検定に挑むと、
なんと検定試験には合格してしまう

試験対策といえば、何か月も前から過去問題を解いたり、
テキストを何周もして覚えるイメージがありますが、そんなことはしません
強いて挙げれば、
1週間前くらいから始まる、模擬問題を4~5回解く程度ですね
それでも十分なのです。本来の簿記は、暗記ではなく技術なのです

応用的な対応力

CPAではテキストを用いずに授業を行い、学生の脳幹を鍛えます
先生が口頭・板書で教える内容を自ら考え、ノートにまとめるのです

そうして本質を理解することで、応用的な論点まで考える事ができるようになり、
(CPAが発行しているテキストの内容を知らない人もいますが、)
テキスト以上のことができるようになります

 

専門用語に関する理解

専門用語に関する理解は、通常の授業で対応できます
重要ワードは板書で強調したり、会計法規集を開き、確認させたりしています
逆に、重要でない単語はわざわざ覚えさせません

何が基本か、何の理解を中心としなければならないのかが、
自然と身に付くように工夫しています

実社会で要求されている経済知識

CPAでは、単なる簿記の授業を行うのではなく、
粉飾決算の事例や、本物の財務諸表を用いてのリアルな講義などを実践しています
実社会で使える内容を教えるため、常に四苦八苦しながら講師陣が研究・調査しています


最後の方はCPAの紹介になってしまいましたが、
当校が以前から行ってきたことが、
そのまま試験にも実務にも直結する王道な方法だと再確認できました
簿記の楽しさを、これらからも伝えていきたいですね

簿記に関する質問などには、「簿記ペディア」が便利です
是非ご活用ください!!

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