【No.033】加工組立型産業

2017.10.3

こんばんは緒方です

先月末(9/28)に、齊藤先生(商業簿記担当)が
鹿児島女子高校に出張講義に行った際の写真を
女子高の宮本先生に送っていただきました
少しですが、ご紹介したいと思います


講義内容は、今回の147回試験から日商簿記2級の試験範囲に入った、連結会計!

食い入るように聞いていますね…
約2時間で連結の基礎をみっちり鍛えました
これからの伸びが楽しみですね

今回の講義は、生徒さん60名程度を集めての大規模な講義を企画していただきました
宮本先生並びに鹿児島女子高等学校の先生方、たいへんお世話になりました

さて、本日のブログは「加工組立型産業」の原価計算の特徴についてです
簿記を知らない方にも、なんとなく読める内容になっておりますので、どうぞ最後までご覧ください

それでは、本日のブログ、スタート!

講師ブログNo.033

「加工組立型産業」

日商簿記検定で出題される製造業には、大きく分けて、①素材型産業と②加工組立型産業があります

①素材型産業とは、他の産業に材料を供給する産業をいいます。
たとえば、鉄鋼業・非鉄金属業・繊維業・石油業などの産業ですね!
私の授業では、「材料そのものの形を変える産業」だと説明しています

対して

②加工組立型産業とは、
生産工程の大部分が組立作業によって処理される産業をいいます。
たとえば、時計・カメラ・テレビ・自動車・携帯電話などの産業ですね!
私の授業では、「パーツを組み合わせて物を作る産業」だと説明しています

加工組立型産業の特徴は

「月末仕掛品が存在しない」

ということ(もちろん、例外はあります)

素材型産業は、大量の素材(例えば、プラスチック)を製造現場へ投入し
製品を大量生産するため、加工途中のものが大量に残ってしまいます

しかし、加工組立型産業は、
その日の製造に必要な分のパーツ(材料)を用意し
短時間で組立作業を行うため、作りかけというものが存在しません

ここで、多くの方は、総合原価計算と聞かれると、
こういった資料をイメージされるかと思います

しかし、仕掛品が存在しないというのであれば、
次のようになりますね!

早い話が、投入原価=完成品原価となるわけです!

これなら、だれでも計算できそうですね♪

しかし、本当は簡単なはずなのに、実際に検定試験で出題されたときには、多くの人が解けていないのが現状です

これは、総合原価計算=素材型産業だと思い込んでいるからでしょう

「総合原価計算」ときた場合に、素材産業のような問題の解法のみを覚えていると
突然加工組立型産業で出題されたときにパニックになります
(実際原価ベースの加工組立型産業の出題は、日商1級137回、131回などを参照)

さらに、それを標準原価計算で応用された場合(134回など)にも、全く手も足も出ないはずです

計算方法を暗記すれば楽に解けてしまう総合原価計算ですが、
特に、日商2級レベルの基礎的な部分をおろそかにせず
本質を学ぶことができれば、
難しくなっても対応できますし
実務においても自分で計算方法を考えることができますね

計算への本質的な理解を深め、
さらに実際の製造現場と絡めながら
問題を解いていくと面白いのではないでしょうか

最後までお読みいただき、ありがとうございました